1.年金請求手続きについて

年金制度改正

65歳以上の在職定時改定の導入(令和4年4月実施)

今まで、65歳以上の在職中の方の年金受給額の改定は、資格喪失時(退職時か70歳到達時)でしたが、改正後は65歳以降の加入期間を含め毎年1回10月に定期的に改定されます。

具体的には、毎年9月1日(基準日)において「厚生年金に加入」している場合、基準日の前月である8月までの加入実績を年金額に反映して増額し、10月分(実際の支払いは12月)から増額した年金が支払われるとういう仕組みです。

特例的な繰下げみなし増額制度(令和5年4月実施)

令和4年4月より老齢年金の繰下げ受給の上限年齢が70歳から75歳に引き上げられたことを踏まえ、令和5年4月からは、70歳以降も安心して繰下げ待機を選択できるよう制度改正が行われました。
70歳到達後待機中にお金が必要になった際、請求の5年前の日に繰下げ申し出したものとみなし、増額された年金の5年間分を一括して受け取り、その後は、増額された年金額を受給します。
対象者は、昭和27年4月2日以降生まれの方、または老齢基礎・老齢厚生年金の受給権を取得した日が平成29年4月1日以降の方、いずれかに該当する方です。

例:71歳まで繰下げ待機し、71歳時点で年金請求する場合

※65歳以降に厚生年金保険に加入していた期間がある場合や、70 歳以降に厚生年金保険の適用事業所に勤務していた期間がある場合に、在職老齢年金制度により支給停止される額は増額の対象になりません。

老齢年金制度体系

公的年金制度の受給資格期間

受給資格期間にカウントされる制度

保険料免除期間制度とは

所得が少なく本人・世帯主・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が一定額以下の場合や失業した場合など、国民年金保険料を納めることが経済的に困難な場合は、ご本人から申請書を提出いただき、申請後に承認されると保険料の納付が免除になります。

保険料納付猶予制度とは

20歳から50歳未満の方で、本人・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合には前々年所得)が一定額以下の場合には、ご本人から申請書を提出いただき、申請後に承認されると保険料の納付が猶予になります。

学生納付猶予制度とは

大学・短大・高等専門学校等の学生については、申請により在学中の保険料の納付が猶予される制度です。本人の所得が一定以下の学生が対象となります。なお、家族の方の所得の多寡は問いません。

老齢年金の受給資格期間に加えられる合算対象期間の例

受給資格期間には含めますが年金額計算の対象にならない期間のことで、主に次のような期間があります。

  1. 昭和36年4月から昭和61年3月までの厚生年金保険・船員保険および共済組合の加入者の配偶者で、国民年金に任意加入しなかった期間、および任意加入したが保険料が未納になっている期間のうち20歳以上60歳未満の期間。
  2. 昭和36年4月から平成3年3月までの昼間の学生等であった期間で、国民年金任意未加入であった20歳以上60歳未満の期間。
  3. 厚生年金保険・船舶保険の脱退手当金を受けた期間(昭和61年4月から65歳に達する日の前月までの間に保険料納付済期間・免除期間がある人)のうち、昭和36年4月1日から昭和61年3月31日までの期間。

合算対象期間(カラ期間)を含めても不足した場合の対策(例)

受給開始年齢のご案内

国民年金(老齢基礎年金)の受給イメージ

繰上げ・繰下げ受給 ~減額率・増額率は生涯変わらない~

老齢基礎年金など、希望すれば受給年齢を変更して受け取ることもできます。繰上げは、本来の受給開始年齢より早く受け取れますが受け取り額は減額され、繰下げは遅く受け取るかわりに増額となります。
いずれもメリット・デメリットがありますので、ライフプランにあわせて慎重に検討してください。
※令和4年度より、繰上げ受給の減額率の見直しと、繰下げ受給上限年齢の引上げがおこなわれました。

令和4年4月1日からの改正

①繰上げ受給減額率
・昭和37年4月2日以降生まれの方は、1カ月当たり0.4%の減額となりました。
・昭和37年4月1日以前生まれの方は、従来通り1カ月当たり0.5%の減額となります。
②繰下げ受給の上限年齢を70歳から75歳に引上げ
 昭和27年4月2日以降生まれの方は、繰下げ受給の上限年齢が70歳から75歳に引上げになりました。
③繰上げ・繰下げ受給の支給率表はこちらを参照願います。

繰上げ・繰下げ受給の注意点

繰上げて受け取る場合 <通常受給の76%〜99.6%で受給>
  1. 一旦繰上げると減額された支給率は生涯変わりません。また、取り消すことも変更することもできません。
  2. 老齢基礎年金を繰上げて請求した場合、65歳になるまで遺族厚生年金・遺族共済年金を併給できません。
  3. 繰上げ請求後、障害の状態になっても(厚生年金に加入している場合を除いて)障害基礎年金の受給はできません。
  4. 寡婦年金(夫が生きていればもらえたはずの老齢基礎年金の3/4の額:60歳〜65歳になるまで支給)は支給されません。また寡婦年金の受給権はなくなります。
  5. 特別支給の老齢厚生年金の長期加入者の特例措置や、障害者の特例措置は受けることができなくなります。
  6. 国民年金の任意加入はできません。
繰下げて受け取る場合 <通常受給の108.4%〜184%で受給>
  1. 繰下げ受給は66歳以降でないと請求できません。
  2. 繰下げて受け取るまでの間、厚生年金を繰下げる場合は加給年金、国民年金を繰下げる場合は振替加算は受給できません。また繰下げによる加給年金や振替加算の増額もありません。
  3. 在職中の場合は、老齢厚生年金額から在職支給停止額を差し引いた額が繰下げによる増額の対象となります。
  4. 繰下げ待機中に老齢以外の公的年金の受給権を得た場合は、その時点で増加率が固定され、(厚生年金の繰下げの場合は障害基礎年金のみの受給権発生を除く)年金の請求手続きを遅らせても増加率は増えません。
  5. 繰下げ待機中に繰下げ受給を希望しない場合は、65歳からの増額なしの年金を一時金としてさかのぼって受給できます。
    ・令和5年4月より「特例的な繰下げみなし増額制度」が導入されました。
    ・令和5年4月以降で70歳到達後に請求した場合は、5年前に繰下げの申出があったものとしてその時点の増額した年金が、さかのぼって一時金として受給できます。
    ※昭和27年4月2日以降生まれの方対象

厚生年金の受給イメージ

現役時代には夫の収入のみで生活してきた夫婦も、
年金は夫と妻それぞれが自分名義で受給することになります。

老齢基礎年金は原則として満65歳から支給されますが、老齢基礎年金の受給資格期間を満たし、厚生年金の加入期間が1年以上ある場合、ご自身の受給開始年齢から(下表参照)「特別支給の老齢厚生年金」として報酬比例部分を受給することができます。また共済年金では、生年月日に応じて「特別支給の退職共済年金」の報酬比例部分を受給(男女とも厚生年金の男性と同じ年齢で受給)することができます。

よくある相談事例 ~年金の誤解・思い込み・注意点~

請求時に多いよくある勘違い

(1) 特別支給の老齢厚生年金と国民年金(老齢基礎年金)との混同

年金の受給資格期間があり、“厚生年金” または“共済年金”の加入期間が合計して1年以上ある方は、受給開始年齢になったら年金の請求手続きをしましょう!
厚生年金については、生年月日・昭和36年4月1日以前の男性、昭和41年4月1日以前の女性は65歳前に受給権が発生しますので、請求をして権利を確定しておきましょう。
また、特別支給の老齢厚生年金を受給している方には、65歳の誕生月の月初めに「ハガキによる請求書」が郵送されてきます。この「ハガキによる請求書」を送ると、老齢基礎年金(国民年金)の金額が合算されて年金額が再計算されます。新たに国民年金の請求書を提出する必要はありません。

(2)65歳になる前に特別支給の老齢厚生年金を受け取ると、将来にわたって減額されてしまうという誤解

特別支給の老齢厚生年金は減額されませんし、65歳まで待っても増額されません。65歳前に受給し減額となるのは、国民年金の場合です。

(3) 在職中は年金を請求してもどうせ受給できないという誤解

請求年齢に達すると、緑の封筒に入った請求書が送られてきます。在職中で厚生年金に加入中の場合は、会社からの報酬額によって、以下のように分かれます。すべての方が全額停止となるわけではありません。

在職中でも、受給開始年齢になったら年金の請求手続きをしておきましょう。報酬に変動があった場合は、全額停止の方でも自動的に年金額が改定され支給される場合もあります。
また、退職した場合には、数カ月も待たずに年金が受給できるメリットもあります。

(4) 年金収入が多くなると、直ちに税金が増えるのではという心配

年金収入は「雑所得」とされますが、国民年金・厚生年金等には「公的年金等控除」があります。控除額は最低額でも65歳未満が60万円、65歳以上で110万円ありますので、まるまる所得額として税金が計算されるものではありません。

事前調査(年金記録)の重要性

自身の年金加入記録に間違いがないか事前にチェック

誕生月に送られて来る「ねんきん定期便」でチェックしましょう。

請求手続きと主な書類

年金受給資格を満たしていれば、受給権発生月の3ヵ月前に「年金請求書」が送られてきます。

年金請求時に必要な書類等は、請求する方により異なります。

  • 年金受給資格の確認ができない方等については、「年金に関するお知らせ」(ハガキ形式)が60歳の3ヵ月前までに届きます。
  • 「年金請求書」や「年金に関するお知らせ」も届かない場合は、お近くの年金事務所にて、年金手帳を持参のうえ、ご確認ください。

年金の請求手続きから入金まで

初回振込までのスケジュール

年金事務所等に、年金請求書が受理されてから3~4ヵ月後に指定口座に入金されます。

日本年金機構から「年金請求書」が送られてこない場合や国民年金を繰上げて請求されるときなどは年金事務所に備え付けの「年金請求書」で手続きを行うことになります。

お問い合わせ先

年金お受け取り手続きのお手伝い・年金お受け取りについてのご相談をご希望の方は、
事前に最寄りの店舗へご予約ください。平日9時~17時(当金庫休業日を除きます)

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城北信用金庫 営業店統括部 営業支援グループ(年金係)まで。
電話番号:03-3913-1149平日9時~16時(当金庫休業日を除きます)

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