城北信用金庫

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エピソードストーリー
~地域企業の課題解決に向けて~

皮革業、製靴業を地場産業とする浅草の地にある、創業40年の靴メーカーが挑んだ新たな挑戦。城北信用金庫はそれに対してどのような支援を行ったのか。その軌跡を辿ります。

2011年入庫 リレーショングル―プ 課長 髙山 龍大
地域の方々の課題を解決に導くような仕事がしたいと思い、それが実現できる就職先として城北信用金庫を選択した。入庫後、文京区の店舗に配属。荒川区の店舗を経て、2020年より台東区の店舗に所属し、営業活動に携わっている。
2008年入庫 JSパートナーズ株式会社 渡辺 功一
地元の浅草を含むエリアの企業で、地域に貢献する仕事がしたいと思い、城北信用金庫に。入庫後、豊島区の店舗を皮切りに4つの店舗で営業を経験した。その後、ソリューション事業部を経て、2022年よりJSパートナーズに出向。現在はコンサルティング業務を担っている。
Episode
#01

マイナスから始まった出会いを、プラスに転じた提案

「御庫から借入をしていた資金を全額返済したい」。その話が飛び出してきたのは、髙山龍大がリレーショングループ課長として着任し、OEM靴メーカーの有限会社デコルテを前任から引き継いだ直後のことだった。「お客さまは当金庫とは長いお付き合いで、当金庫以外では借入れをしたことのないくらいの関係性。そう聞いていたので、なぜ? と驚きました」
のちに判明したことによると、そこには3年間無利子のコロナ融資に関して、城北信用金庫もご案内はしていたものの、競合他行に競り負けていたという事情があった。しかし、ともかくその時の髙山は、「お客さまとはマイナスからのスタート。これから新たに信頼関係を構築していかなければならない」と改めて身を引き締めた。そして店舗に戻ると、すぐさま支店長と話を共有し、支店長にデコルテ社と話をしてもらうことに。その後、支店長からもたらされた情報が、髙山とお客さまの深いお付き合いのスタートとなった。

「コロナ禍で業況が思わしくないなか、何か手を打たなければならない。とはいえ、これまでの100%OEM生産(※1)だけでは限界がある。そこでクラウドファンディングを活用した自社ブランドの展開にチャレンジしたい」。そんなお客さまの考えを知った髙山は瞬時に思った。「お客さまにメリットのある提案を行い、信頼を取り戻すチャンスだ」と。そこからの髙山の行動は早かった。城北信用金庫にはクラウドファンディングのサポートを行うポータルサイト、「NACORD」を核とするソリューションメニューがある。その所管部署である本部と連携し、城北信用金庫のコンサルティング子会社であるJSパートナーズの渡辺功一とともに、デコルテ社を訪問したのだ。
「クラウドファンディングのシステムをお伝えするとともに、どういうものが売れるのか、どういうページをつくると効果的かなど、いろんなお話をさせていただきました」と、渡辺は当時を振り返る。また、髙山は語る。「当金庫がクラウドファンディングをサポートすることで余計な手数料が発生するなどということは一切なく、お客さまにはメリットしかないご提案。自信を持って話を進めました」

(※1)OEM生産:他社ブランドの製品を製造すること。

Episode
#02

デコルテ社の自社ブランドづくりに向け、パートナーとしてサポートを実施

髙山と渡辺がクラウドファンディングのサポートを申し出たことで、城北信用金庫へのデコルテ社の印象は一新された。「当金庫に金融以外のサービスがあるなどとは思っていなかったらしく、驚かれるとともに、当金庫に対して気軽に、事業にまつわるさまざまな相談を持ち掛けてもいいのだなと思ってもらえたようです」と髙山は振り返る。
その後、髙山は月2、3回のペースでデコルテ社に通いはじめた。「クラウドファンディングに向けて、自社ブランドづくりがどれくらい進んでいるか、お伺いするのがメインの目的です。そこで何かお困りごとがあれば、お手伝いできればという一心でした。どうやら私とは別に支店長も頻繁にデコルテさまに出入りされていたようで、お客さまとの距離がどんどん近くなるのを感じました」

そんなある日、デコルテ社から相談されたのが、自社ブランドの商標登録だ。商標登録に際してはリスク低減の意味で、弁理士に依頼するのが得策。そう考えた髙山は、早速、ソリューション事業部に連携し、デコルテ社へ弁理士の紹介を行った。
その後、スムーズに商標登録に至り、デコルテ社は「NACORD」が連携しているクラウドファンディング「Makuake」(※2)にトライ。目標金額30万円に対して、640万円でのプロジェクト成約を実現した。「お客さまのオリジナルブランド“Je t'emmène(ジュトメンヌ)”は、非常に柔らかくて履き心地抜群。しかもシンプルでおしゃれ。私自身も購入して履いていて、すっかりブランドのファンです。また、意欲的に新事業に挑戦するお客さまの姿勢にも刺激を受けて、お客さまのパートナーとして、一緒にもっとこのブランドを世の中に広げていきたいと強く思うようになりました」と髙山は語る。
その後も、デコルテ社は次々にオリジナルブランドの新デザインを打ち出し、現在もクラウドファンディングにトライし続けている。「今後もブランド展開に関して何かお困りごとがあれば、できることは何でもしたいし、一番に相談してもらいたいと思っています」

(※2)Makuake:日本のクラウドファンディングサービスの代表的存在。

Episode
#03

この経験を糧にサポートの輪を広げ、地域の産業振興へ

クラウドファンディングのサポートをきっかけとして、髙山とデコルテ社のつながりは深まっていった。「担当を引き継いだ最初の年に一旦、借入がゼロになっていましたが、翌年には短期資金を恒常的に対応させていただくことになり、さらに最近、長期資金の借入の対応をさせていただきました。また、他行口座扱いだったiDeCoや小規模企業共済を、当金庫の引き落とし口座に変更してもらったのも信頼の証だと思います。今後も、事務所移転に伴う不動産ビルマネジメントや事業承継の支援など、お客さまに提供できる価値は数多くあると思っています」
髙山はデコルテ社への一連のサポートを通じて、地域産業支援への波及効果も感じている。「他のお客さまに、クラウドファンディングを活用して自社ブランドを立ち上げたデコルテさまのことを話すと、『うちも同じことを考えていて興味がある』と。その時、これまではそうした潜在ニーズを見逃していて、当金庫としてサポートできるのに、できていなかったお客さまが地域内に数多くいらっしゃると思いました。それにデコルテさまもそうでしたが、当金庫が非金融のさまざまなサポートをしていることを知らないお客さまが多いのも課題だと思います」

顧客企業の事業ニーズについて仮説を立てたうえで、明確な意志を持って、こちらから金融・非金融に関わらず幅広いソリューションメニューを提案できれば、お客さまに城北信用金庫の価値に気づいてもらうことができ、ひいては、もっと地域のお客さまのお役に立つことができる。髙山はそう考えるようになった。
「もちろん、そのためにはお客さまとの信頼関係という土台をつくらなければ何も始まりません。そのうえで、いかにソリューションメニューそれぞれの商品性を理解して、お客さまの課題や悩みを解決に導く適切な提案ができるか。そこに営業担当の真価が問われると思います」と髙山が言えば、渡辺は、「私の仕事はお客さまのお悩みを聞くこと。ほとんどお金の話はしません(苦笑)。地域密着の金融機関として何がお手伝いできるか、常に考えています」と力強く語る。
金融・非金融の枠を超えて地域のお客さまに価値を提供し、その延長として地域の産業振興へとつなげていく。城北信用金庫の挑戦に終わりはない。

#VOICE

どんな相談にも親身に応じて、
的確なアドバイスをしてくれる、
頼れる存在です

私とそんなに年齢の変わらない髙山さんは、最初から話しやすいなという印象でした。そんななか、こちらがクラウドファンディングの話をした際、すぐにMakuakeにつないでくださったのには驚きました。お金を貸すだけでなく、そういうことまで提案してくださるのだと。その後もクラウドファンディングや事業でわからないことはなんでも相談していて、その度に的確なアドバイスをいただいています。城北信用金庫さんは、地場産業である製靴業の魅力をもっと多くの人に伝えていきたいと考えている私にとって、信頼できるアドバイザー。今後も、当社に有益な情報を持ってきてもらいたいですね。地域を盛り上げようと一生懸命取り組まれる支店長さんの姿も見ていて、以前から地域活性化に力を入れている金融機関だとは感じていましたが、今回、フットワーク軽く、どんどん新しいことを始めていることを知って、改めて頼りになると実感しています。髙山さんにも、渡辺さんにも、当社オリジナルブランドの靴を履いていただいて、それもありがたいことですね。
(田中佳李さん談)

有限会社デコルテ 代表取締役 田中正雄さん(左)、
取締役 田中佳李さん(右)

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