



北区観光協会は、どのようなミッションのもとに活動しているのですか。
東京北区観光協会は、「観光を切り口に北区の新しい価値をInnovativeに創造する」ことをミッションに活動しています。
私が営業店に在籍していたころ、地域には魅力的な事業者や資源が数多く存在しており、大きな可能性を感じていました。一方で、それぞれの魅力を個別に発信するだけでなく、つながりや組み合わせによって、さらに価値を高めていく余地があるのではないかと感じていました。そうした中で、金融支援だけでは届かない領域に対して問題意識を持つようになりました。
その後、観光協会の取り組みに関わるなかで、「観光を切り口にする」ことで地域のプレイヤー同士をつなぎ、新たな価値を生み出していくアプローチがあることを知り、地域の可能性を広げられると実感しました。
観光を切り口にすることで、地域の歴史や文化、人の想いを結び直し、新たな出会いや関係性を生み出すことができます。構想段階から地域と関わり、地域全体として発信するところまで伴走することが、私たちの役割だと考えています。

具体的にはどのようなプロジェクトを展開しているのですか。


具体的にはどのようなプロジェクトを展開しているのですか。
たとえば、飛鳥山公園で開催している飛鳥山ハワイフェスティバルは、渋沢栄一翁が飛鳥山の邸宅にハワイ王国のカラカウア王を招いたという歴史的なつながりに着目し、それを現代の体験として再編集した取り組みです。観光協会が立ち上げた当初から、日本有数のハワイイベントを目指して取り組んできた結果、現在では2日間で、6万人以上が来場する規模に成長しています。
この取り組みは、地域に眠る歴史や背景に新たな視点を当て、その価値を体験として届けている点に特徴があります。地域への理解や関心の広がりにもつながっています。
また、日本酒に関する取り組みとして、旧醸造試験所第一工場という日本酒の研究や品評会が行われてきた歴史的背景を持つ国の重要文化財に着目し、北区を「近代日本酒の聖地」としての価値を再定義するとともに、「酒都宣言」を通じてその発信を進めています。そうした流れのなかで、「飛栄」や「白狐」といった日本酒の製造・販売にも取り組んでいます。
いずれのプロジェクトも、単にイベントや商品を展開することが目的ではなく、地域の歴史や文化、人の想いを現代の価値として再編集し、次の世代へつないでいくことを意識しながら取り組んでいます。
城北信用金庫と観光協会はどのような関係性で連携しているのですか。

城北信用金庫と観光協会の連携は、地域の価値を未来につなぐ「共創型の取り組み」だと考えています。
体制面でも、城北信用金庫の理事長が観光協会の会長を務めており、現在7名の職員が観光協会に派遣されています。金融機関としての視点と、観光・まちづくりの視点の両方を持ちながら、日常的に連携していることが特徴です。
具体的には、地域の歴史や文化をどのように現代のストーリーとして伝えていくか、どのような広がりが生まれるかを、構想の段階から対話しながら進めています。また、イベントなどの現場にも信用金庫の職員が入り、地域の方や来場者と直接関わることで、地域との距離を縮めています。
アイデアをかたちにしていくプロセスに一体となって関わっていることが、この連携の特徴だと考えています。



こうした取り組みを進めるなかで、どのような変化が生まれていますか。
最近では、「こんなことをやってみたい」といった構想の段階からご相談いただく機会が増えてきました。観光を切り口にすることで、地域の未来を一緒に考えるパートナーとして見ていただけていると感じています。また、人と人とのつながりが生まれ、そのなかから新たな取り組みや事業がかたちになり、地域のなかに広がってきています。
一方で、こうした取り組みを一過性のものにせず、継続的な動きとして定着させていくことが重要だと考えています。地域のなかで新しい挑戦が生まれ続ける環境づくりが今後のテーマです。



観光を切り口に、小林さんはこのまちをこれからどうBoostしていきたいですか。
イベントを成功させることが目的ではなく、地域のなかで新しい挑戦が生まれ続ける環境を育てていきたいと考えています。その積み重ねが、まちへの誇りや愛着、シビックプライドの醸成につながっていくと思っています。観光という視点から地域の価値を見つめ直し、次の世代へとつないでいく。そうした流れを広げ、このまちの可能性をさらにBoostしていきたいです。
